教えることについて(ジブラーンの詩)「教えることについて」次にひとりの教師が、「教えること」についてお話くださいといった。 アルムスタファは答えて言った。 どんな人でも、あなたに教えることが出来るのは、知識の夜明けに、半ば眠ってすでにそこにあるものだけ。 弟子と共に、神殿の陰を歩む教師が与えるのは、知恵ではなく、信頼と愛。 もし彼がまことに賢明な人なら、あなたに彼の知恵の館に入るよう命じるのではなく、あなた自身の精神(こころ)の入口へ導く。 天文学者は、宇宙の知識を語ることはできても、理解する力をあなたに与えることはできない。 音楽家は、宇宙のリズムを歌うことはできても、リズムをとらえる耳や、リズムをこだまさせる声を、あなたに与えることはできない。 数の学問に精通した人は、重さや長さについて話すことはできても、そこにあなたを伴うことはできない。 人はものを見通す力の翼を、ほかの人に貸すことはできない。 あなたがたは神の知の中にひとりで立っているように、神を知ろうとするときも、大地を理解しようとするときでも、それぞれひとりでなければならない。 『生きる糧の言葉』より(訳 岩尾寿美子) ジャンル別一覧
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